鍼(はり)灸治療について

古い諺に 「薬石の効なく」 と表現される「石」は古代では 「石」 を針の代わりに使っていたからだそうです。「鍼」という字は「とんがった石」という意味を含んでいるということです。鍼は主に、中国南部で発達し、灸は中国でも北部で発達したと伝えられています。これは鍼と灸の効果の特徴をそのまま現しているようで面白い感じがしますね。鍼は温かい地方に多い「オデキや吹き出物」を手術する為に欠かせませんし、お灸は冷えを改善する特効を持っているからです。

☆  経  絡  学  説 ☆
はり灸理論の最大の特徴は 「経絡学説」 です。人間の体の中を縦に流れる、太い12本の川のようなエネルギーの道を「経」と呼び、その「経」を横に連絡している無数の支線を「絡」と呼んでいます。又、経絡という道の所々に「経穴」と呼ばれる駅が在って、いわゆる「ツボ」言われる刺激点になっています。全身で365の「ツボ””」が定められています。「ツボ」にはそれぞれに名前が付いていて、それぞれに特別の効能があります。例えば手の母指と示指に挟まれた三角地に在る 「合谷」 という 「ツボ」は頭痛や歯痛の特効穴で知られています。
 

 ☆ 陰 陽 五 行 学 説 ☆
私たちが見ている「物質」世界は全て「陰」と「陽」の 相対立する要素によって成り立っています。「男、女」「高い、低い」「大きい、小さい」「暑い、寒い」・・・・・・・「相手」が存在しなければ「自分」という存在もあり得ない。「相対的関係性の場」が顕れの世界であり、その「関係性の法則」 を理論化したものが「陰陽学説」と呼ばれています。人体も全てこの陰陽のバランスによって正常に働いています。例えば体温をとってみますと、陰陽のバランスがとれた状態では36度5分の平熱を保ちますが、風邪を引いたりしますとバランスが崩れて高熱を出したりします。人体のバランスの関係は、現在の科学では到底計り知れない複雑なものであり、病気の真の原因は、「ストレスによるバランスの失調」にあることは明らかなわけです。

五 行 説
五行説ということが中国伝統医学のもう一つの特徴となっています。これは「顕れの世界」を五つの要素で分類して、その「相対的関係性」・・・いわゆる「相生」と「相克」、分かりやすく言うと敵なのか、味方なのかという関係をはっきりさせたものです。

  1. 木の性質の物・・・・肝
  2. 火の性質の物・・・・心
  3. 土の性質の物・・・・脾
  4. 金属の性質の物・・・肺
  5. 水の性質の物・・・・腎
  • (肝木 生 心火)・(肝木 克 脾土)
  • (心火 生 脾土)・(心火 克 肺金)
  • (脾土 生 肺金)・(脾土 克 腎水)
  • (肺金 生 腎水)・(肺金 克 肝木)
  • (腎水 生 肝木)・(腎水 克 心火)
  • 木は火を生み、木は土を克す。
  • 火は土を生み、火は金を克す。
  • 土は金を生み、土は水を克す。
  • 金は水を生み、金は木を克す。
  • 水は木を生み、水は火を克す。

五臓における助けたり、克されたりする関係のイメージが何となく湧いて来ましたでしょうか。これらの「相対的関係性」を具体的な疾病にあてはめて治療方法が組み立てられて行くわけです。特徴的なものだけを分かりやすく、 ということでこんな説明になってしまいました。

学問的観点からすると、

  1. 生理観
  2. 疾病観
  3. 病因論
  4. 病理論
  5. 病症論
  6. 診断論
  7. 治療論

以上の7体系からなる膨大な学説をなしています。

今後これらの医学知識の真の価値が人類的な価値あるものであることが知られていくことでしょう。

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